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創業において私が「印刷と出版」を掲げましたのは、両者は常に“一体”という考えで、どちらも助け合い、磨き合う、言ってみれば、二人三脚の夫婦のようなものです。創業(1982年1月)から
この精神で『本造り』に邁進してきました。
私たちは飽食と言われる時代に生きています。快適で、不自由ひとつない生活を送っている人々が、なにかもっと別な、なにかもっと新鮮な、貴いものを求めようとしているのを肌で感じております。
とどまるところを知らない機器の開発、ますます便利になる日常の生活……。数値が執拗に画面を通して、あるいはもろもろの媒体を介して私たちを追いかけてきます。かつてはそれを追い求めていた私たちは、いま逆に、それに追いたてられ、せかされ、試されながらも、便利さの上に安住して暮らしています。
電子書籍は時代の流れでありましょう。しかし、人間の真の英知と見なすべきもの、それは言葉と文字による文章をおいて他にないと確信しています。
私は「読書」の恵みをなによりも理解しております。みなさんの貴重な体験や考察を「書籍」として後世に残すことの手助けをさせていただきました事、心より感謝申し上げます。
[ささやかな歩み]を記すことができました。
感謝を込めて
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